こんにちは。酪農ヘルパー課の佐藤です!
7月某日、請負先の牧場さんで、2日間に渡り通常のヘルパー業務ではわかりづらい酪農家さんの仕事を体験させてもらいました。
獣医さんは大体午前中にやって来ます。今回は体調が悪い牛の治療であったり、廃用処分が決定した牛の安楽死処理で来ていました。
本来ヘルパーが獣医対応をする事は殆どないですが、稀にあるかもしれないですし、全く酪農の経験がない人にとっては1日の流れというのは重要です。
まずは、体調が悪い牛についてです。
餌を食べない、配合を食べない、息が荒い、口をずっと開いたままにしている、目が凹んでいる、粘液が白く濁っている、蹄に異常があるなど、目に見える範囲でも牛の体調を知る要素はたくさんあります。
お尻に体温計を突っ込み、聴診器で音を聞き異常がないか確かめる。体温の測り方は違いますが、人の診察と似通った部分は多いように思います。ただ言葉を発さない生き物なので、その分難しいとは思います。
モクシをして、柱に牛の顔を縛り付けます。注射をするので牛が暴れるのを防ぐ為です。
僕は暴れないように耳を掴んで目を隠すように抑え、なるべく暴れないようにするものの、やはり牛の力は強く注射を嫌がって暴れてしまいます。
注射の後は必要な牛は点滴をして終了です。
体調が本当に悪い牛は8つの点滴袋が繋がっていました。ごっちゃごちゃになってて、牛の体調の悪さが伺えました。
続いて、廃用になった牛の安楽死処理です。
こちらはあまり気分のいい話ではありません。可哀想で涙が出そうになりましたが、これも酪農家では避けては通れない道なので経験として同席しました。
今回廃用になった牛は蹄が腐ってしまって、足がパンパンに腫れ、もう立てなくなってしまった牛です。
安楽死処理ではまず眠くなる薬を注射します。これは効く牛と効かない牛がいるらしいです。
今回は効きました。少し暴れて段々と大人しくなっていくので、終わりが近づいているんだなと感じました。
牛が大人しくなった段階で心臓を止める薬を注射します。この薬を注射して少し経つと牛の目がグルンと回って、所謂目がイってしまった状態になります。思わず目を逸らしてしまいました。可哀想で中々直視はできなかったですが、獣医さんは慣れたものでした。
せめてもの供養に手を合わせてその場を去りました。あまり経験したくない出来事でしたが、前述した通り避けては通れない道なので、そういう面で言えばいい経験になりました。
その日の午後に回収業者が牛を引き取って行ったようです。
身体の大きな動物で、しかも産業動物という特殊な立ち位置の牛を診てくれる獣医さんは、月並みですが、凄いなと思いました。
治療という行為をするのでかなり牛に近づきます。やはり暴れる牛もいるので、ヘルパー同様危険です。
獣医さんの対応を体験して、辛い面もありましたが全部を通していい経験が出来ました。牛の体調が悪いサインを見逃さないようにしていきたいと思います。
