牛と言えば草を食べているイメージ。
でも実は、その「草」にも種類や品質があり、牛の健康や美味しいお肉・牛乳に大きく影響していることをご存じですか?
この記事では、牛の主食である「牧草」に焦点をあて、どう育てられているのか、なぜ地域によって余ったり足りなかったりするのか、そして私たちニッセン産業がどんな役割を果たしているのかをご紹介します。
牧草ってどんなもの?
牛と言えば、草を食べている姿が思い浮かびますよね。
でもその草、実は牧場で勝手に生えてくる雑草ではなく、牛の健康を考えて育てられた“家畜専用の草”、つまり「飼料用牧草」なんです。
牧場では、広い放牧地で牛が自由に草を食べられるスタイルもあれば、収穫された牧草をエサ箱に与えるスタイルもあります。どちらにしても、牛の主食はこの“牧草”。生乳を出すホルスタインも、高級なお肉になる黒毛和牛も、みんなこの牧草を食べて育っています。
しかもこの牧草、見た目は同じように見えても、品種や育ち方、収穫のタイミング、天候によって栄養価が大きく変わるんです。実はとっても奥が深い存在なんですよ。
牧草ってどうやって育てるの?
牧草は、自然に任せて育つ草ではありません。
牧場主が、牛にとって食べやすく栄養たっぷりの品種を選び、毎年しっかり手間をかけて育てています。
育て方の基本をご紹介します。
●種まき
品種や地域によって、春か秋に種をまきます。
●成長管理
雑草を取り除いたり、堆肥や肥料、土改剤で土のコンディションを調整したりして、
しっかり栄養が詰まった牧草に育てます。
●収穫
牧草の栄養がピークの時期を見計らって収穫します。早すぎると栄養価は高いのですが
収穫量が少なくなり、遅すぎると固くて食べにくくなるため、タイミングが大切。
●保存
そのままでは腐ってしまうので、乾燥させて「乾草」にしたり、ビニールで包んで
発酵させる「サイレージ」にしたりして保存します。
こうして育てられた牧草は、実は一度育てたら何年か再生しながら使えるんです。しかし、毎年の管理や収穫は欠かせません。放っておくとすぐに質が落ちてしまうので、牧場主の地道な努力で牛たちが守られているのです。
地域によって余ったり足りなかったり…?
牧草は畜産に欠かせない大切な資源ですが、実は「余る地域」と「足りない地域」があるんです。
たとえば、広い牧草地を持つ地域では牧草が豊富。しかし、その土地は牧草以外の作物の栽培には向いていないため、牛のエサはあっても供給先が限られることも。
逆に、穀物や野菜などがよく育つ地域では牛も多く飼われていますが、牧草地が少ないため、エサが足りなくなることもあります。
さらに、牧草はずっと保存できるわけではなく、時間が経つと栄養価が落ちてしまいます。1年を過ぎると品質が低下し、最終的には捨てざるを得ないことも…。
畑に放置されたままの牧草を見かけることもあり、「もったいないなぁ」と思わずにはいられません。
ニッセン産業の取り組み:牧草をつなぐ、ムダにしない
そんな「余る」と「足りない」のギャップを埋めるため、私たちニッセン産業では、牧草営業という仕事を通じて橋渡しをしています。
余っている牧草を買い取り、それを必要としている畜産農家さんへ販売。
牧場ごとに「安く大量に欲しい」「高くても質がいいものが欲しい」などニーズはさまざま。そこに丁寧に対応しながら、必要な場所へ必要な牧草を届けています。
最近では、輸送コストが上がっていて「安く仕入れたはずが、運んだら高くついた…」なんて悩みも。そんな問題も、私たちが間に入ることで、できるだけムダなく、納得のいく取引ができるように工夫しています。
牧草をムダにしない。それが、私たちのミッションです
牛の主食である牧草は、ただの草ではありません。
人が手間をかけて育て、牛の健康を支え、おいしい牛乳やお肉を生み出すための大切な資源です。
でも、その牧草がムダになってしまうのは本当にもったいない。
だからこそ、余った牧草を必要な牧場へ届ける。地域の資源を循環させる。
そんな仕事に、私たちは誇りをもって取り組んでいます。
「牛のエサってこんなふうに作られてるんだ!」
「こんな仕事があるんだなぁ」
もしそう感じてもらえたらうれしいです。
ニッセン産業では、牧草を通じて畜産業を支えるお仕事に、興味を持ってくれる方をいつでも歓迎しています。